雅子が悠子のところにいっている。
京都に部屋を借りるので援助するらしい。
京都造形芸術大学時代のお友達にのりちゃんと言う娘さんがいた。
娘さんはよく油絵科の宴会の折家から重たいのに酒を持ってきた。
家の人はいい酒を飲まないと体に良くないと言って娘にもたしたそうだ。
悠子はいい話と言ってわたしに教えてくれた。
お家の人は下宿させてくれないので近江八幡のむこうから家の用事をしながら毎日芸大へ通っていた。
のりちゃんは京都市立美術館で開催された卒展では千住博より学長賞をもらった。
悠子は就職活動中に絵を描くことをほっぽり出しワインバーに遊び呆けた。
わたしは失望と腹立ちに溢れた、さすがに伝統のある家の教育は立派なものだと率直に感心した。
藤居本家はNHKの朝の連続テレビあまからしゃんの舞台になった。
現実に阪神大震災で灘の蔵元が被害を受け撮影できなかったため灘の蔵元の代役を引き受けたのである。
先日京都の大学生の就職率が33%であるデーターをみた。
京都の学生もこれからの冬の時代を経験するのだろう。
雅子に悠子に安月給で働かずに家に帰ってきてお父さんのためにショパンを弾いて絵を描いて暮らしてほしいと言ってと頼んだら、そんなことあの子する訳ないとそくだに断られた。