雅子は京都へ行く

岡田商店で生きているズワイガニを買った。

本場ならではの冬の味覚、焼きガニを食すため、蟹の足を切り離して、生きている蟹をボイルして味噌を固めた。

新鮮な蟹は刺身でいただくのが一番と聞いていたが、調理の出来ない素人には焼きガニにしていただくのが無難なところ。

雅子は明日の朝11時10分、大山パーキングのバス停から京都烏丸に行く。

娘の結婚を祝して雅子と乾杯をする。

雅子は悠子に頼まれてリングピロを手作りした。

ライスシャワーの代わり折鶴を飛ばしたいということで、暇にあかせて折っていた。

それを、一緒に届けに行く。

娘と過ごす、別れの京都の訪問になる。

そして、今日の朝。

雪の中をピッピッという音で目覚めた。

別荘地の路面を整備している。

積雪が三から四十センチを超えると、ブルトーラーが森の中を動き回って、雪を掻きだし。
路面を通行し易やすくしてくれる。

御蔭で高速バスのとまる大山パーキングまで支障なくゆける。

ロイヤルシティ大山リゾートは道路管理が行き届いています。

雪の深いゲレンデにいるのと同じなのに、道は平地の一般道と変わらない。

美しい自然に囲まれて、楽しい気持ちになる。

冬の味わい。冬の喜び。

雅子は驚いている。
若葉と変わらないバスの時刻表。

雪の中の大山から毎時二便運行している。

弁当に大山おこわを買って乗りこんだ。

一秒の狂いもなくバスがやってくる。

悠子によろしく。

雪の感動を伝えてください。

和子姉にもよろしく。

帰りの日はまた迎えにくるから、蒜山あたりで電話して。

ダニエルは暖炉のそばで眠っています。